若の涙

会社から帰ってきて、玄関のドアを開けると、
奥の部屋から若のすすり泣く声が。

「ははあん、またニョーボに叱られたな」と思いつつリビングに入ると、

「アリーナ(若の飼っているハムスター)が死んじゃった・・・」
とニョーボ。
その言葉を聞いて、一段と大きな声で泣き出す若。

生後一ヶ月。
わが家に来て、まだ5日。
若のみならず、家族全員が残念で悲しくてならない。
昨日まで、いや今朝も元気にケージの中で走り回っていたのに。

「たった5日やったけど、みんなに遊んでもらえてアリーナは幸せやったと思うよ。
今度の休みの日に、お墓をつくってやろうね。」
「うん・・・」

ちいさな命の終わりを目にして、
彼は何を感じたのだろう。